このサイトは、フィリピンのオウン銀行(オウンバンク:OWN BANK)の口座開設に関する記録です。
左の青いものがオウン銀行の普通預金口座の通帳、隣の白い紙が定期預金の実際の証書です。
オウン銀行の定期預金申し込み(口座開設)は、ネットからの手続きと郵送で現地へ行かずに完結できます。
- 良い利率の定期預金を探している
- リスク分散のために海外の銀行口座で米ドル預金をしたい
- それらをできるだけ手間をかけずに手続きしたい
といった目的に合うのがオウン銀行の定期預金です。実体験に基づいて、手続きの全容に関する情報をまとめました。(サイト内の説明順に進めていくと上の画像と同じ通帳と証書が手元に届きます)
オウン銀行とはどのような銀行か?
オウン銀行の高金利定期預金について話を聞いて興味を持った方は、次にこう思ったのではないでしょうか?
「本当の話?」
「なんでそんなに高金利なの?」
このような疑問が湧いてきたかと思います。少なくとも私はそうでした。
私は仕事でフィリピンを含む海外との取引が多く、また国際金融に詳しい知人の投資家を経てオウン銀行のことを知りました。後述しますが、フィリピンの銀行制度には一定額までペイオフ(預金保護)があるため、話を聞いた時点で保護の範囲で余剰資金で組むなら問題ないと判断して申し込みました。ですがもちろん、少しは「実際どうだろう?」という気持ちもありました。
預金証書と通帳を受け取り、出金方法まで確認した今となっては安心できると確信していますが、情報をどこかでご覧になって知ったばかりなら、「良さそう」という想いと「本当かな?」という不安が混じった感覚だと思います。
私は現在2口座を持っています。1つ目の定期を申し込んだ後、私は銀行役員の方々と直接お会いする機会があったため、オウン銀行の信頼性や高金利が支払える理由など裏側まで詳しく確認することができました。
まず概要を簡単にまとめますと、オウンバンクはフィリピンで60年以上経営されている銀行です。
基本的には現地人向けのローカルバンクですが、フィリピン国内で長期に渡ってファイナンシャル事業を経営してきた日本人が2016年に役員に入り、経営体制が刷新されて既存の現地人向けサービスとは別に新しい外国人(日本人含む)向けサービスの二つの窓口が作られました。よって私たちでも口座開設できるようになったという経緯があります。
オウン銀行がなぜこのような高金利なのか?
この点は単純な理由で、途上国から先進国への過渡期で経済成長が進むフィリピンの資金需要が非常に高いため。もともと提供されている現地在住者向けの定期預金は年利5%、そして、新設された私たち外国人向けの米ドル建て定期預金は年数に応じて3.5〜6.5%の特別金利が上乗せされた年利8.5〜11.5%で設定されています。(金利について詳しくは後述)
現在の日本の普通預金の金利は0.01%、定期預金の年利は0.1や0.3%。これらと比較すると怪しいと感じてしまうような高金利ですが、国の事情が異なりますので決して高すぎる数字ではありません。
また、預金保護制度によって、万が一銀行が倒産しても全額または一部が国から返金されます。日本だと米ドル建て預金や外国人の口座は保証の対象外とされています。一方、フィリピンの制度では外国人(私たち)の外貨(米ドル口座)も保護対象です。
話を聞いた際にこの点は大きな安心材料だと感じました。
オウン銀行の所在地や運営体制
(http://www.own-bank.com/より)
オウン銀行(OWN BANK)は1956年に設立された銀行です。Rural Bank of Cavite City(ルーラルバンク・オブ・カヴィテシティ)とも言います。ルーラルバンクとはフィリピンの銀行区分を指し、カヴィテシティとは所在地。つまり「カヴィテシティのルーラルバンク」という意味です。
ルーラルバンクとは
日本語に直訳すると地方銀行・農村銀行を意味します。
日本の金融機関にも大きな都市銀行・地方銀行・信用金庫などがあるように、フィリピンでも事業規模や目的によって金融機関の名称が異なります。大規模なものはコマーシャル(商業)銀行と呼ばれ、地域ごとの金融を担う小さな銀行をルーラルバンクと言います。
要するに、ルーラルバンクとは日本で言うところの地銀や信用金庫に相当する銀行です。
カヴィテは首都マニラに隣接する州で、マニラで働く人々のベットタウン。大部分は田舎で昔ながらのフィリピンという雰囲気ですが、開発が進み(日系企業の進出も多い)、これからの発展が見込まれる地域です。
オウン銀行があるカヴィテシティは首都マニラから車で約1時間半ほど。(フィリピンは渋滞が激しく、高速道路が混む時間帯は約3時間)
仕事で滞在した際に立ち寄りました。
こちらが本店。隣にはBDO(バンコ・デ・オロ・ユニバンク:フィリピン最大の商業銀行)も。また、周囲には中国系の銀行やノンバンクの金融サービスなど、大小様々な金融機関がありました。
OWN BANKと書かれています。こちらの店舗と、バックオフィスをボニファシオ・グローバル・シティ(BGC、フィリピンで最も近代化された安全な都市)にも構えています。
こちらがBGCの街並みです。オフィス周辺。
緑との調和が美しい街です。
こちらがバックオフィスの入り口。
ここで役員の方々とお会いして詳しく話をうかがいました。
フィリピンでは、オウン銀行のようなルーラルバンクを含めたすべての金融機関を統括する位置に「フィリピン中央銀行(日本で言うところの日本銀行)」があり、そのホームページで検索するとしっかりとオウンバンクの名前を確認することができます。
(http://www.bsp.gov.ph フィリピン中央銀行のウェブサイト 2019年5月20日更新時点)
また、既述のとおりフィリピンの銀行には日本と同じように預金保険(ペイオフ)制度があり、万が一銀行が倒産しても一定額まで預金が保護されます。これを、PDIC(Philippine Deposit Insurance Corporation、フィリピン・デポジット・インシュアランス・コーポレーション)と言います。
(http://www.pdic.gov.ph 預金保険機構のウェブサイト)
この預金保険機構のサイトでも検索すると名前が掲載されています。フィリピンの銀行はすべてPDIC制度への加入が義務付けられているため、オウン銀行が正規の銀行業を営んでいることが確認できます。
PDIC制度
フィリピンのPDIC制度では、一つの銀行の個人口座に対して50万ペソ、共同名義で作る口座に50万ペソ、合計で一人あたり100万ペソまでが保証され、銀行倒産時に国から返金されます。(1ペソ2.1円計算で約210万円まで)
日本国内のペイオフ制度では上限が1000万円という高い上限が設定されています。この金額と比較すると少なく感じますが、日本の制度では外貨建金は保護対象となりません。国内銀行で保有している米ドル預金は保護の対象外。フィリピンの銀行の場合は100万ペソ相当額の外貨及び外国人による預金も保護されるため、私たち日本人の米ドル建て定期預金も保護されます。
なお、http://www.bsp.gov.phやhttp://www.pdic.gov.phというURLはフィリピン政府の所有を意味する公的なウェブサイトです。
こちらはオウン銀行の現在の経営母体(Own Inc)のサイトです。
現在の日本人オーナーがオウン銀行の経営権を取得した理由も直接うかがいました。とてもシンプルで、フィリピン国内で企業や事業主向けの不動産担保付きレンディングビジネス(融資事業)を数年間続けているなかで、貸付のための資金を出資者からの直接調達から、銀行を通じた間接出資に変えるため。そうすることで、出資者ー事業者の関係ではなく預金者ー銀行ー事業者となり、あいだに銀行を挟むことによって私たち預金者はペイオフのメリットが得られます。(同時に、事業者側にも支払いを簡略化できるメリットがある)
「なぜオウン銀行のような小さな銀行の経営権を取得したのですか?どうせならもう少し大規模な銀行の方が印象が良かったのでは?」
と気になったので、やや失礼な質問もしてみました。
この点は、フィリピンのペイオフ制度は日本と同じく都会の大銀行でも田舎の小さな銀行でも保証額は一律で、「預金者のお金を守る」というメリットを生かすなら買収コストを抑えられるルーラルバンクで十分だったそうです。
オウン銀行の金利について
こちらはオウン銀行の口座開設ページから抜粋した、フィリピン以外に住む外国人向けに設定されている米ドル建て定期預金の金利表です。
米ドル定期預金の金利 | |||
---|---|---|---|
1年 | 3年 | 5年 | |
25,000ドル未満 (275万円未満) |
8.5% | 9.3% | 10.10% |
25,000ドル以上 (275万円以上) |
8.9% | 9.8% | 10.70% |
100,000ドル以上 (1100万円以上) |
9.5% | 10.50% | 11.50% |
(日本円換算額は1ドル110円計算)
金額と年数が増えるごとに利率が良くなります。この点は日本の一般的な定期預金商品と同じです。
オウン銀行がなぜ高金利を私たちに還元できるのかは、冒頭で触れたようにフィリピンの経済成長に合わせて金融事業が堅調に伸びているため。要するに、銀行が十分な利益を得ているためです。
「通帳を作ってお金を預けて、必要な時にATMで引き出す」
このように、銀行を単にお金を管理する場所としてのみ使用していると「銀行=金融業」という本質を日常的に意識することはないと思いますが、一般論として銀行の主な収入源は人や企業にお金を貸して(融資して)得られる金利です。もちろん口座管理費や振込手数料なども儲けの一部にはなりますが、銀行の本業はあくまで金融業。
例えば企業向けなら、保証協会の保証付融資(要担保・保証人)、プロパー融資、無担保ビジネスローン、不動産担保融資などがあります。個人向けだと住宅ローン・自動車ローン・教育ローン、カードローンなど様々な商品がありますよね。一度は利用したことがある、または現在進行形で支払いを続けている方も多いのではないでしょうか。
さらに銀行によっては、クレジット会社や消費者金融のようなノンバンクにも資金を提供して差益を得ています。MUFGがアコムを、三井住友がプロミスを傘下に納めたことは銀行=金融事業者という分かりやすい事例と言えます。
立ち返ってオウン銀行の場合は、不動産担保を付けて評価額の50%を上限とする中小企業向けの非常に手堅い融資事業を展開しています。仮に不渡りが出たとしても、担保は評価額の70%ほどで売却できるためリスクがありません。このような事業から得られた金利収益の一部が、私たち預金者の金利として還元されています。
銀行が何をどうやって私たちに金利を支払っているのか、日本はなぜ0.01%や0.1%のような低金利なのか、いま預金している銀行がどのような事業をしているのかご存知でしょうか。私も詳しく知りませんし、それほど意識したこともありませんでした。しかし、オウン銀行は海外にあるということもあり、高金利が得られる根拠が最も重要だと感じ、絵空事の詐欺ではないことを確認するために上記の事業モデルについては特に詳しく話をうかがって信頼できることを確認しました。
フィリピン経済について
オウン銀行が高金利なのは、フィリピン経済成長に合わせた資金需要増という明確な理由があります。実は日本も昔は同じような理由で高金利でした。
フィリピンは1970年ごろから徐々に成長をはじめ、2000年代に入ってさらに勢いを増してきています。
こちらはGoogleが公開しているフィリピン国民1人あたりのGDPの推移です。この経済成長は人口ボーナスという経済が底上げされる具体的要因に基づいたもので、2040年頃まで続くと見込まれています。
人口ボーナス
人口ボーナスとは、簡単に言えば15歳~64歳までの働く世代が、それ以外の子供や高齢者などの2倍以上の状態のこと。この状態では生産力が増大し、一方で子供への養育費や高齢者への社会保障費といった負担が少ないためインフラ整備などへの投資が進み、国内の経済成長が後押しされます。基本的に、1つの国に1度しかない経済発展の機会(日本は2005年にボーナス期を脱し、少子高齢化へ)
(https://www.populationpyramid.net/philippines/2017/より)
こちらはフィリピンの2017年の人口分布図。生産人口が全体の60%を超える美しいピラミッド型をしています。
参考までに同年の日本を。現在の平均年齢は48歳。2050年には平均64歳になると言われています。
こちらはフィリピンの街の様子です。
至る所でビルや高層マンションが建設されていました。
ショッピングモールは若者で溢れ、活気に満ちています。
こちらは飛行機から撮影したマニラです。
もちろん、決して良いところだけではありません。整備されて綺麗になっている場所はまだまだ一部のみです。だからこそ、あらゆる産業においてまだまだ(少なからず日本以上に)伸び代はあるでしょう。
日本人は、長引く不況によって銀行金利1%や0.01%などの限りなくゼロに近い消極的な数字に慣れてしまっていますが、現在のフィリピンのような成長期だった1960~80年頃には普通預金で2%~4%は当たり前、5%を超えていることもありました。(ゆうちょ銀行の定期貯金は約8.5%を記録)
国民性や国の状況が異なるため単純比較はできないにせよ、日本の数十年前のように経済発展=資金需要増=高金利=預金者は銀行にお金を預けておくだけで金利で大きく増えるに似た状態がいまフィリピンで起きているとイメージすれば分かりやすいかもしれません。
当時の日本で預金していた方々は大きく増えたことを覚えているかと思います。残念ながら現在、そしてこれからも日本には同じような機会は訪れないでしょう。しかしフィリピンは今がその機会と言えます。
オウン銀行で定期預金を組むメリット・デメリット
オウン銀行の定期を組む利点はいくつかあります。
金利
オウン銀行の定期預金を組むメリットは、まず金利だと思います。
日本の銀行金利が0.01%ですから、一番低い8.5%で850倍、最大の11.5%なら1150倍です。ただお金を置いておく口座を変えるだけで1000倍近い金利差があります。(日本の一般的な定期預金の金利0.1%と比較しても85倍~115倍)
例えばオウン銀行に10,000ドルを3年定期で預けると年利9.3%。3年で元本が約1.3倍になります。5年定期なら年利10.1%で50.5%増。たった5年で約1.5倍というのは非常に大きな魅力ではないでしょうか。仮に日本円換算額で1000万円を5年定期で預けておくと、5年後には約500万円増えて1500万円に。そこで1回更新して10年経てば2000万円。(ちなみに、金利0.01%で元手を2倍にしようと思ったら1万年必要です)
預金保護
預金保護があるという点は私にとっては特に安心できる材料でした。
保護の最大額は個人口座で約9500ドル、共同口座を作ればさらに倍の19000ドルほど。(最新レートで計算。日本円で約210万円)この金額の範囲であれば、もしも本当に銀行が破綻したとしてもPDIC制度に則って国から預金者に返金されます。定期預金の申し込みの最低金額は5000ドルからで、上限はありません。
米ドル建て
そして、米ドル建てであること。資産や貯蓄の一部を米ドルに変えておくことでリスク分散になります。
国外口座の利点
あとは、国外銀行の口座を持つという利点。
日本経済の最悪のシナリオとして国内銀行預金が封鎖されるような事態になっても、海外銀行に預けている資産は没収されません(海外にある日本の銀行の支店は不可)これは将来に悲観的な予測をしている方にとっては魅力ではないでしょうか。
もちろんデメリットもあります。定期預金ですから、満期まではそのお金を動かすことはできません。(中途解約は可能ですが、その場合は元本の一部毀損及び金利を受け取ることができない)
年利8.5~11.5%という金利や米ドル預金に魅力を感じなければメリットはありません。しかし、5000ドル(約55万円)以上で1~5年は放置しておける余剰資金があるなら、手堅いところで一時的に増やしていくという目的には適しているかと思います。(個人口座のペイオフ上限は米ドル換算で約9500ドルなので、この範囲なら余計な心配もなし)
満期時の金利の受け取りは?
金利は、定期申込時に同時に作る普通預金口座(当ページ冒頭の青い通帳)の方へ満期時に一括して振り込まれます。
自動更新にしていなければ、元本も一緒に普通預金に移動します。普通預金に入った金利や元本は、自分が希望する国内・海外銀行に振込で出金できます。
このようなネットバンキングサービスがあり(私の実際のページ)、ここで振込に必要な書類などをダウンロードできます。
これは2つ目に作った「25000ドル以上の3年定期」の管理ページで、画面の下の方にあるNormal Interest(通常金利)の欄が5%、Bonus Interest(特別金利)が4.8%と書かれているように、合計年利9.8%が保証されています。
オウン銀行の定期預金申込方法
経営体制が新しくなって外国人向けの定期預金の窓口が作られたことで、いくつかの日本人向け海外口座開設業者がオウン銀行の口座開設をサポートするサービスをはじめました。
その1つがネットからの口座開設サービスを提供していて、それを使えば簡単に日本からの手続きのみ(海外在住なら、その居住国から)でフィリピンへ行かずに完結できます。
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1ネットで申込書を作成
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2申込書を印刷&パスポートをコピー
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3申込書とパスポートコピーにサイン
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4郵送
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5完了まで待つ
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6通帳と証書を受け取る
申込書を送ったあとは何もすることがないので、実質的な手続きは1~4まで。申込書作成から証書が届くまでの所要日数はトータルで1ヶ月ほどかかりましたが、申込書作成から郵送までは1日~2日もあれば十分でした。
国際便で届き、開けると高級感ある封筒に通帳や証書が入っていました。
役員の方々の人柄や事業モデルの信頼性、自分自身も仕事で普段から感じているフィリピンの経済状況なども判断材料にはなりましたが、正直なところペイオフの範囲ならそもそも銀行の良し悪しとは関係なく安心だというのが最初に申し込む際の決め手でした。
納得して2口座でペイオフ保証額以上の定期を組んでいますし、米ドル資産を増やしていく手段の一つとしては非常に満足しています。
以下、私が手続きした際の実体験と申込方法に関する全記録です。手続きは簡単でしたので各ページに沿って進めると自力で十分完結できるかと思いますが、お困りでしたらいつでもご連絡ください。
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【1.まずはじめに】オウンバンクの口座開設に必要なもの
オウンバンクの口座開設は、ネットのサポートを使えばとても簡単に済みます。ただし、利用にはいくつか条件と必要なものがあります。 申込できる条件 オウン銀行では、2016年からは現地人向けの従来のサービス ...
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